海岸樹林への薬剤散布➁ 県農業振興課と意見交換

薬剤散布の様子
(神奈川県HPから)

ネット平塚では昨年来、湘南海岸樹林への薬剤散布方法等の改善を求める活動を、湘南生活クラブ生協ひらつか西海岸デポ―のメンバーと共に行っています。神奈川県では毎年5~6月に松枯れ防止を目的とした薬剤散布を行っていますが、その影響により体調不良を起こしている組合員がいたことがきっかけです。この間、現場で薬剤散布担当する県藤沢土木事務所の方々と、散布の周知方法や周知エリアの拡大、散布ではなく樹幹注入による松枯れ防止への転換などを求め意見交換を行ってきました。
16日は農薬販売者や生産者等に農薬の使用について指導する立場の環境農政局 農政部農業振興課の方々と、神奈川ネット佐々木県議、生活クラブデポーメンバー、ネット平塚メンバー計8人(うち4人はZOOM参加)が意見交換を行いました。
まず農業振興課が担当する業務内容等についての話を伺った後、当事者である組合員の方が化学物質過敏症発症に至る経過や症状を職員の方に伝えました。薬剤散布の時期は体調が悪化することから、外出を控えることは勿論、外出せずに済むようにするための準備、外気をシャットアウトする対策等々、ご自分だけでなくご家族、特にお子さんたちも含めた対策に大変ご苦労されています。
薬剤散布については農薬取締法に基づく「神奈川県農薬安全使用指導指針」において、住宅地における農薬散布の留意点や周辺住民へ事前に幅広く周知すること等が留意事項として定められていますが、かなり限定的な周知に留まっているのが現状です。また藤沢、茅ヶ崎、平塚と違う散布業者によって周知のされ方に違いがある事もわかり、業者任せの状態も垣間見えています。今年5月連休明けに行われる予定の散布にあたっては、担当課の努力により掲示ポスターを大きくしたり、周知のためのチラシ配布エリアを若干拡げるなどの改善策も採られるとのことですが、業者への配慮からか、市民が求める周知策は採られない状況です。
今回の農業振興課との意見交換を通じ、農薬販売者や生産者等に「農薬の安全かつ適正な使用」を指導する立場の県が、まず率先して指針を遵守し範を示すべきと強く感じました。
発症には至っていない、潜在的な化学物質過敏症患者は日本では100万人にのぼるとのデータもあります。
県は予防原則の考えに立ち、健康被害を未然に防ぐことを最優先にした施策を、そのために必要な予算措置等も講じながら進めるべきです。
今後も働きかけを続けていきます。