8月24日開催された神奈川ネットワーク学習会”「基地国家」と日米地位協定”に参加し、講師の明田川融法政大学教授から日米地位協定の現状と今後について話を伺いました。
日米地位協定は、日本に駐留する米軍による施設・区域の使用と日本における米軍の地位について規定したものであり、1952年に締結された日米行政協定を土台に1960年締結され、以来一度も改定されることなく今日に至っています。
学習会では、この協定がいかに日米間で不均等なものであることを学びました。
アメリカと地位協定を結ぶ国は他にもある中で、日米地位協定は米軍人らによる日本国法令の「尊重」義務を定めるにとどまっていますが、他の国では、個別の取り決めがある事項以外は、自国の法令を優先させています。
たとえば、最低高度の順守や粗暴な操縦の禁 止などを定める航空法は米軍機には適用されません。米軍の低空飛行が度々問題になっており、8月3日には海老名市の田んぼに米軍のヘリコプターが不時着する事件もおきました。
また地位協定に基づく特権によって米軍関係者が日本国内で事件や事故を起こしても日本側が十分に捜査できない問題はあとを絶ちません。
そんな中、自衛隊と米軍の指揮・統制枠組みをそろえ、共同対処力を高めることを目的に、自衛隊の陸海空の各部隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」の創設を柱とした防衛省設置法などの改正法が6月成立しました。
相互運用性の名のもとに、日米一体となった軍備増強が進んでいます。
沖縄県についで12の米軍基地がある神奈川県民としても、この問題から目を逸らさずにいることの重要性を再確認した学習会でした。