障害福祉情報発信地「ともいきスペース」がオープン

「平塚市手をつなぐ育成会」が障害福祉情報発信地「ともいきスペース」を5月オープンしたと聞き、見学させていただきました。
場所は、総合公園体育館福祉ショップ「レストランかざぐるま」の一角。かざぐるまさんから空きスペースをお借りしたとのことで、約6畳ほどのこじんまりしたスペースです。
手をつなぐ育成会は、知的障がいのある方々の権利擁護と政策提言を行うための団体で設立は1952年。知的障がいのあるお子さんを持つ3人のお母さんの活動から始まりました。現在全国に55の団体、10万人の方が所属しており、全都道府県に支部を持つ知的障がい者団体は育成会だけです。
オープンした「ともいきスペース」は、公園に遊びに来た親子が障がいについての情報を得る場、ちょっと立ち寄ってもらえる場を目指しているとのことです。やわらかな照明が置かれたスペース内には書店にはおいていない連合会発行の情報誌「手をつなぐ」や障がいに関する本や玩具などが置いてありました。会員がいる時には手作り品の販売や相談も行っています(7月の相談日は平塚市手をつなぐ育成会のHPに掲載されています)。

今年4月より改正障害者差別解消法が施行されました。障害者差別解消法は2016年から施行された法律で、障がいを理由とする「不当な取り扱い」を行政や事業者に禁止すると共に、障がいのある人が社会の中にあるバリアによって生活がしづらい時、その求めに応じバリアを取り除くための対応(合理的配慮)を行政に義務付けるものでしたが、今回の改正により事業者にも義務付けられました。
合理的配慮とは、例えば飲食店で、当事者からの求めに応じ車椅子のまま着席できるようにしたり、難聴で弱視の方との意思疎通を図るため太い文字で書いて筆談を行ったりするようなことが例として示され、可能な限り提供することが求められています。また対象となる障がい者とは障害者手帳を持っている人だけでなく、心や体に障がいがある人で社会の中にあるバリアによって日常生活や社会生活に相当の制限を受けているすべての人とされています。
このことは障がいの有無にかかわらず、一人ひとりが過ごしやすい社会を実現するために重要なことです。
制度と併せ、暮しの中で障がいを身近に感じる場が増えることで、そうした配慮も自然に身につくのではと思います。
「ともいきスペース」も障がいを身近に感じる場の一つとして活用されることを期待します。