地方自治を脅かす地方自治法一部改正の動き
2023年12月21日第33次地方制度調査会から提出された「ポストコロナに経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」に基づき、今年3月1日地方自治法の一部を改正する法律案が閣議決定され、国会に提出されました。
法案の内容は
1.DXの進展を踏まえた対応
(DXとはデジタル技術を活用しビジネスや企業風土を変革すること)
2.地方の多様な主体の連携及び共同の推進
3.大規模な災害、感染症のまん延等、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における対応として、国(大臣)が自治体に対し必要な指示ができる特例規定を設けるというものです。
3の指示権行使の要件としては、”想定できない事態となった時”とするのみで、どのような事態を想定しているかの言及はありません。想定される事態の見当もつかない中、指示権を持つことで国がその役割を本当に果たせるようになるのかも疑問です。
この改正案に対し、対等な関係であるはずの国と自治体の関係を壊し、地方自治の根幹を揺るがすものであると反対の声が上がっています。
また2の”多様な主体の連携”については「地域住民の生活サービスの提供に資する活動を行う団体を市町村長が指定できることとし、その団体への支援、関連する活動との調整等に係る規定を整備する」とありますが、本来自治体自治の問題であるはずのことが何故改正法案に盛り込まれたのか理解に苦しむところです。
法案は5月に衆議院総務委員会での審議が始まり、昨日21日には参考人として出席した学者、知事等への質疑が行われました。
審議の行方に市民が強い関心を持ちづつけていくことが必要です。