海岸樹林への薬剤散布について、市民と県が意見交換

神奈川県では飛砂防備林である海岸の松林を対象に、毎年5~6月松枯れ防止のための薬剤散布を行っています。その影響で体調を崩している生活クラブデポー組合員がいることがわかり、ひらつか西海岸デポー環境委員会では散布に関する情報が地域に周知されているか、また体調不良を感じている人がいないか等を知るため、組合員へのアンケート調査を今年春実施しました。11月9日、その結果を元に、神奈川県藤沢土木事務所なぎさ港湾課との意見交換会が開催され、神奈川ネットからは佐々木由美子県議とネット平塚のメンバーが参加しました。
薬剤散布については、農水省通知「住宅地等における農薬使用について」において農薬散布の留意点や周辺住民へ事前に幅広く周知すること等が遵守事項として定められていますが、平塚での周知方法は立て看板とチラシが主なもので、立て看板は市民の目に届きくいところに2~3本、チラシは散布する樹林と隣接する住宅にしか配布されておらず、周辺住民への周知が十分されていません。近くに住んでいても薬剤が散布されていることを知らない市民が多いことはアンケート調査でも明らかになっており、意見交換会では、チラシ配布エリアの拡大や市と連携し防災無線や市広報、自治会回覧板等を利用した周知方法、また薬剤散布ではなく樹幹注入による方法への転換やより安全性の高い薬剤の検討を求める声があり、県に持ち帰って検討してもらうことになりました。
防備林は海からの砂や風等から市民を守る大切な役目を果たしていますが、薬剤が市民の健康を害している状況は変えなければなりません。市民の健康被害防止策と松枯れ防止策が共存できる方法を、知恵を出し合って見つけていくことが必要です。